人間国宝・野村万作、野村萬斎、野村裕基の野村家狂言三代をはじめ、一門がそろう「祝祭大狂言会2023」が4月、大阪・中之島のフェスティバルホールで開かれる。ホールの春を彩る公演として定着した大狂言会で、今回が6回目。
萬斎の長男・裕基が太郎冠者を演じる、狂言らしい笑いに満ちた「棒縛(ぼうしばり)」に続き、矢の名手が扇の的を射た有名なエピソード「奈須与市語(なすのよいちのかたり)」を、万作の至高の仕形話で送る。裕基は「祖父(万作)の熟練した芸を間近で見ることは、自分の経験値になる」と語る。
最後は「博奕十王(ばくちじゅうおう)」を上演。萬斎演じるばくち打ちが地獄に落ち、閻魔大王とサイコロばくちを始める荒唐無稽な物語。地獄の炎を照明で表現するホールならではの演出や、サイコロの目を当てる客席参加型の仕掛けもあるという。
「生きることは滑稽だけど、いいものだなと思えるのが狂言の魅力。登場人物を自分と思って笑い飛ばし、免疫力を高めてほしい」と萬斎はメッセージを送る。
4月23日(日) 15時開演。S8千円、A6千円、SS1万円ほか。問い合わせは℡06・6231・2221、フェスティバルホール チケットセンター(10〜18時)